秋間 誠

【casper】Owner chef

Makoto Akima

ビストロcasperオーナーシェフ

現在の仕事内容について、簡単に教えてください。

2017年に市ケ谷駅近くにビストロ「casper(キャスパー)」をオープンし、オーナーシェフとして厨房に立ちながら、店舗の経営をしています。食材の仕入れからメニューの開発、美味しい料理をお客様に提供することはもちろんですが、経営者として自ら売上目標を設定し、その目標を達成するための事業戦略を練って実践したり、人員の確保やお店の宣伝まで、店舗に関わること一切を行なっています。

座右の銘は?

「人生やったもん勝ち」
とにかくやってみないと何も始まらないと、常に自分を鼓舞して突き進んできた経験から出てきた言葉であり、妻から言われて勇気づけられた特別な言葉でもあります。

仕事をするうえで、最も大切にしていることは?

まずは目の前のお客様のために美味しい料理を提供すること、そして今の自分の技術に甘んじることなく精進し続けることです。また、経営者としてはお客様の動向や売上数字をシビアに見る冷静さも大切にしています。

現在の仕事の一番のやりがいは?

お客様が料理に満足して帰ってくれることはシェフとしてのやりがいです。一方で、店舗の売上が伸びることも、独立してから生まれた経営者としての新たなやりがいです。人を喜ばせることと数字の話は別物のように捉えられがちですが、シェフとしてどれだけ人を喜ばせたかが具体的に数字に現れてくるし、そこでしか測れないと思います。そのバランスが合致した時が「オーナーシェフ」としてのやりがいや、誇りに繋がっていると考えています。

T&Gで主に携わっていた仕事は?

シェフとして店舗の厨房に立ちながら、店舗スタッフの人材育成、全国式場のグランドメニューの開発まで行いました。メニュー開発の際には、シーズンごとにチームを組んで試作を持ち寄り、他店舗のシェフとも意見交換をしながら考案しました。<良いメニュー>とは、美味しさは第一ですが、それだけではなく、スタッフのオペレーションのしやすさや単価を上げられるような工夫も必要です。当時から、味や品質だけではなく、顧客満足度の向上や売上にどのように貢献できるかを考えていました。

T&Gからの卒業を思い立ったきっかけは?

料理のことを追求していくと、結婚式で提供する料理だけではなくもっと様々なバリエーションの料理に挑戦したいと思うようになりました。結婚式は、食事はとても重要な要素ではあるものの、それ自体が目的ではないので、もっと<食>をメインにした環境を求めて独立を決意しました。

入社前から、独立・転職を意識していましたか?

シェフになった頃は後先考えずにやっていましたが、一人前のシェフになるには独立するものだと漠然とは感じていました。T&Gに入社してからは、周囲の仲間と切磋琢磨できる環境にいたこともあり、より具体的に独立を意識するようになりました。日々の業務でも独立後に活かせるようなスキルを身につけたいと、メニュー開発や売上管理なども積極的に手を上げて挑戦するようにしていました。

T&Gを卒業した時の心境は?

不安と期待の両方がありましたが、期待の方が優っていました。期待が優っていたのは、T&G時代に培った力が自信となっていたからだと思います。頑張ってきた結果、ついにここまで来たかという感慨深さもありました。

T&G卒業にあたって、周囲の反応は?

家族を含め、皆が喜んでくれて、応援してくれました。独立後すぐは困難なこともありましたが、その度に周囲のサポートの有難さを実感しました。

背景

T&G卒業時に思い描いた将来と、現在を比べてどうですか?

商売という側面では、現実は思っていた以上にシビアです。ただ、T&Gで経験したことや学んだことが糧となって一つ一つの困難に立ち向かえています。技術や経営のこと、そして人間的なことまで含め、全てあの時教わったことが今につながっていると感じます。この場所を通して、サポートしてくださった皆に恩返しを返していきたいと強く思います。

T&G時代にしておけばよかったと思うことはありますか?

独立して一番苦労しているのが接客です。T&Gで働いていた頃は、打ち合わせに出ることはありましたが、いわゆる接客はしてこなかったので、目下試行錯誤の日々です。プランナーやサービススタッフたちが接客のプロフェッショナルであることを考えると、当時からそこも意識して学べばよかったと後悔しています。また、「プロフェッショナルチョイス」という、スキルを磨くために年間8万円の費用が与えられる制度があります。私は本場フランスでフレンチを試食する費用として使ったりと、積極的に利用しましたが、多くの人に活用して欲しい制度です。会社の制度である以上、研修で得たものを形にして見せる必要があるので、試食をしたものを再現してメニューの開発に活かすなどしていました。

T&Gで培った力で、最も役立っているものは?

シェフのスキルとしては、式場という「ハレ」の日を彩るメニューならではの「華やかさ」は武器になっています。今では自分の料理の個性のひとつとして、お客様を喜ばせられる大事な要因になっています。また、入社当初から言われていた「経営者視点を持つ」という意識も役立っています。数字に意識を持っていると、メニューひとつをとっても原価と売上のバランスやコストパフォーマンスなど、より深く多面的な視点で物事を見られるようになります。在籍中は理解しきれない部分がありましたが、独立後は一人で店舗の経営を行っているので、以前から言われていたこの言葉をより深く実感しています。

T&G時代の経験で、現在の仕事で糧となっていることは?

辛い時こそ、険しい道を選ぶという姿勢です。シェフとしての修行時代は辛いこともありましたが、そんな時こそ、将来の道につながっていると考えて険しい道を選択してきました。もともとフレンチを選んだのも、その難しさゆえです。難しいことにぶつかることは自分を成長させるチャンスであると考えます。

T&Gで刺激を受けた考え方は?

「やるかやらないかは自分次第」という考え方です。T&Gには成長する環境がたくさん揃っていますが、それを活かす人も活かさない人もいます。私はその環境を最大限に活かそうと意識していました。この考え方のおかげで独立にも踏み切れたし、どんな環境でも自分次第で前に進むことができるのだと考えます。

卒業してみてわかった、T&Gのユニークなところは?

年に一回社員全員が集まり、社内表彰やその年の戦略発表がされる社員総会は、とても華々しくてT&Gらしいユニークな催しだと思います。成果を出している仲間を見ることは刺激にもなりましたが、表彰は頑張った人が頑張った結果ついてくる勲章だと考えていたので、その場へ上がれないのは努力が至らない結果だと、その年の成果を振り返り、身が引き締まる良い機会でした。

T&Gを一言で表すと?

「キャリアも、人としての内面も育ててくれた場所」です。スキルを学べる場所はたくさんあるかもしれませんが、それ以上に、困難に向き合う姿勢や成長する喜びなど、人間としても育ててくれる場所はそうそうないと思います。

これからT&Gを目指す人へ一言

T&Gには成長する環境が整えられています。しかし、それを活かすのも活かさないのも自分次第です。何かアクションを起こすことには責任が伴いますが、責任が人を成長させると思います。皆さんには、大きな流れに乗っているだけではなく、自分が流れを作りたいと思うようになって欲しい。ぜひ社会や会社に影響力を与えられるようなことをしたいと考える人材になってください。

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